【ネタバレ無し】原作未読向けSAO3期 (アリシゼーション) 12話解説・考察
SAO3期(アリシゼーション)12話の解説を原作のネタバレなしでします。11話の解説はこちら。
各話はAmazonプライムビデオ, Huluなどで配信されています。見直し等される方は、参考までにどうぞ。(本記事更新時点での情報です)
※サムネは公式の第12話予告より引用させていただきました。
解説
今回の前半は整合騎士エルドリエ=シンセシス=サーティワンとの交戦、そして後半はカーディナルによるアンダーワールドの歴史の説明パートという構成でした。特に後半の説明パートは、内容的にやや難しかったので、原作未読の方にとっては少々きつかったかもしれません。なので、後半の方を重点的に説明していこうと思います。
前半Aパート (整合騎士エルドリエ戦)
前半では脱獄したキリトとユージオが、エルドリエと戦います。2人とも前話で剣をアリスに取り上げられてしまったので、鎖のみで戦うことになりますが、1対2ということで数のアドバンテージを最大限生かして、善戦します。しかし最終的にはエルドリエがリリースリコレクションという特殊な技を使用したことで、2人は追い込まれてしまい、勝負あったかのように思われましたが、最後の最後でユージオがエルドリエの出自を思い出し、本名をさりげなく呟いた結果、整合騎士エルドリエは動揺し取り乱します。ユージオがエルドリエにまつわる事を次々と述べていくにつれ、エルドリエの動揺は激しくなり、ついには額から紫色の三角柱プリズムが飛び出てきてしまいました。キリト達はこの三角柱に整合騎士の記憶改竄の鍵が隠されているとみて、この三角柱を抜き去るべく、エルドリエに彼の実母の名前などを伝えて、エルドリエを記憶封印の呪いから解き放とうと試みますが、その直後、別の整合騎士から弓矢で攻撃されてしまい、失敗に終わりました。(キリトは足を射抜かれ負傷)
まず、あの三角柱についてですが、詳細については後々判明します。ですので、今は整合騎士の記憶にまつわる怪しい物程度の認識で良いでしょう。次にエルドリエが使ったリリースリコレクションなる技についてですが、これについても、後ほど詳しく出てきますので待ちましょう。
なお、弓矢で攻撃されたキリトらが逃げるシーンでT字路に突入した際、前髪を引っ張られたことで行くべき方向を悟るという描写がありましたが、この前髪を引っ張った正体についても後ほど判明します。逃げ道を勝手に教えてくれるなんて、一体どんなご都合主義だと思われるかもしれませんが、きちんと理由あってのことですので、悪しからず。(次回でその正体と理由が判明します。)
後半Bパート (カーディナルとの対面)
後半はずっと説明が続き、少々難解な部分もあったのでわかりにくかったかもしれませんが、ざっくり言ってしまえば、支配欲の強い天才少女AI (クィネラ) が暴走してアンダーワールドの管理者権限まで奪って、独裁者、もっと言えば神に等しき存在にまでなってしまったということです。ただ、やはりカーディナルの説明の細部の中には重要な点や疑問に思われるような点も多々あったので、以下詳細に追っていきます。
まず、そもそもアンダーワールドに利己的な人間や支配欲の強い人間が誕生してしまった理由ですが、これは12話の中ではっきり説明されていました。450年前、最初にアンダーワールドにダイブして、アンダーワールド人の祖先となる人々を教育したラーススタッフ4人 (原初の4人) の中に1人、前述の要素を一部のアンダーワールド人 (人工フラクトライト) に伝えてしまった人がいたのです。その結果、彼らの子孫が貴族や地主となり、ライオスやウンベール、クィネラといった支配欲の強い利己的な人間を生み出してしまったのです。(もちろん貴族の中にもソルティリーナやウォロのように良い人はたくさんいます。)
次に、少女クィネラが最高司祭アドミニストレータとなるまでの経緯についてです。
クィネラは幼い頃から神聖術の勉強に明け暮れ、その恵まれた才能と知性から次々と術式を考案・発見します。これらの術式はその都度動物相手に実験していくことで、術式そのものの改良や研究を重ねていった他、実験の中で動物を殺害することでオブジェクトコントロール権限(要するにレベル)を上げていきました。その結果、最終的にクィネラはアンダーワールドにおける神聖術師の第一人者となり、次々と高度な術を操りたくさんの奇蹟(難病の治療や天候予測)を起こしたことで、預言者 (神の意思を解釈し民に伝達する者)や司祭として崇め奉られました。
ここで満足しておけばよかったのですが、彼女の支配欲や承認欲求はこの程度の事では収まらず、彼女は民衆の絶大な支持の基、最高権力者として、アンダーワールドを統治するようになります。行政機関として公理教会を設立し祭政一致の政治で宗教を利用して統治、民衆に教会及び神への忠誠を誓わせ、司法面では禁忌目録を編纂し施行することで独裁体制を確立します。(禁忌目録制定の主な狙いは、正当な理由なき動物の殺傷を禁止することで民衆のオブジェクトコントロール権限がクィネラ自身に迫る数字まで上昇するのを抑える事でした。)
これで、クィネラとしても満足だったわけですが、彼女もアンダーワールドの住人である以上、老いには勝てません。彼女の実力をもってしても、いまだ天命減少の凍結や上限値の回復といった不老不死のための術式は発見・考案できておらず、いよいよ彼女にも死が訪れるかと思われましたが、死の直前、全コマンドリスト(神聖術リスト)を表示させるコマンド(術式)を発見してしまいます。(作中では外部の人間による干渉を示唆) このリストを入手したことで、彼女はあらゆる術式を行使できるようになり、自身の天命減少を凍結、自らの容姿を10代の頃の姿に戻しました。
もうここまで来ると彼女の暴走は止まりません。今度はアンダーワールドを管理するプログラム、カーディナルの存在がお気に召さなかったようで、大規模な術式でカーディナルを乗っ取ろうとします。しかし、これについては失敗してしまい、誤ってカーディナルプログラムを行動原理として自分のフラクトライトに焼き付けてしまいました。その結果、アンダーワールドを管理する上で必要な膨大な量の情報を1人の人間(フラクトライト)で処理しなくてはならなくなったため、キャパオーバーにより一時的に昏睡状態に陥ってしまいます。このままフラクトライトが崩壊して死ぬかと思われますが、そこはある意味執念なのか、クィネラは一日の昏睡状態の後復活します。復活した際、彼女は自らを最高司祭「アドミニストレータ」と名乗り、アンダーワールドの住人でありながら、カーディナルとして世界の管理運営の全権を握るまさに半神半人となっていたのです。
と、長々と説明してきましたが、実はこれはあくまでアニメ12話でやった範囲のみについての話です。つまり、このアドミニストレータとカーディナルにまつわる話は実はまだまだ先があって、もっと色々な話が出てくるのですが、それについては次回13話で間違いなく言及されるので、今回はここで止めておきます。
補足
キリトの足の怪我についてですが、これについてはほぼ完治しています。というのも、カーディナルがキリトに食事を振る舞う際、食事に傷を癒す術式をかけたと発言していました。
用語解説
- 整合騎士
公理教会直属の騎士。前話のアリスと今回のエルドリエの様子から、何らかの手段で記憶を書き換えられているものとみられます。
- 神聖術
今までの記事では魔法のようなものですと書いてきましたが、今回の話でほぼ明らかになりましたね。神聖術というのはあくまでアンダーワールドの人々の呼称であって実態としてはシステムコマンドでした。要するに仮想世界の中でのただのシステムコマンドを、住人達が宗教的なおまじないだと勘違いさせられて、意味もわからず使っていたということです。
- 天命
アンダーワールドにおけるHPのようなものです。
最後に
今回で原作第11巻の話が終わりました。次回から原作第12巻の内容に入ります。アリシゼーション編全体としては、ここまででようやく25%消化といった具合です。
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※アリシゼーション編自体は原作第9巻から始まっています (アニメを視聴していれば、9巻から読み始めても全く問題なく理解できます。)
それでは、また。
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