【ネタバレ無し】原作未読向けSAO3期 (アリシゼーション) 13話解説・考察
SAO3期(アリシゼーション)13話の解説を原作のネタバレなしでします。12話の解説はこちら
各話はAmazonプライムビデオ, Huluなどで配信されています。見直し等される方は、参考までにどうぞ。(本記事更新時点での情報です)
解説
今回は説明会で、最初から最後までほぼずっとカーディナルが説明し続けるといった形になっていました。ただ、最後にキリトとユージオが図書館から出る前、カーディナルが2人に短剣を渡したり、何やら式句を教えたりする等、公理教会と戦う上での準備をしているシーンがありましたので、カーディナルの説明パートだけでなく、そこについても言及しようと思います。
カーディナル(調停者)とアドミニストレータ(管理者)について (前回の続き)
前回、クィネラという天才少女が暴走してアンダーワールドの管理者権限、カーディナルシステムまでを乗っ取って、最高司祭アドミニストレータとしてアンダーワールドを事実上の支配下に置いたというところまでが描かれました。今回はその続きの話となります。
アドミニストレータはカーディナルシステムを乗っ取る以前に、アンダーワールドの全システムコマンドを把握していますので不老不死の状態となっていましたが、それはあくまで肉体的(システム的)な話です。肉体的な老いは回避できても、魂、すなわちフラクトライトの劣化までは避けられず、100年、150年と生きていく中で、彼女のフラクトライトの記憶容量はほぼ満杯になります。そこで彼女はまず自分の記憶データをそこらの若者のフラクトライトにコピーして、その中で、不要な情報を捨ててデータの圧縮・整理を行うことを試みますが、これは失敗に終わります。(情報の整理圧縮を自分のフラクトライトの中でやらなかったのは、リスクヘッジです。みなさんも大事なデータはまずバックアップを取ってから色々いじるでしょう、それと同じです) 失敗に終わった理由は、若者のフラクトライトに自分の記憶データをコピーした瞬間、同一の人格をもつ知性が2つ、すぐ近くに存在してしまったからです。
コピー元(アドミニストレータ)とコピー先(若者)のフラクトライトはお互いを視認した直後、互いがコピーであるいう事実に耐え切れず、崩壊を始めますが、コピー先の方が一瞬崩壊が早く、隙をついてコピー先でサブプロセスがメインプロセスを抑えてコピー先の若者の人格の支配権を獲得します。(サブプロセスは常にメインプロセスの暴走を抑えようと機会を伺っていました。) これにより、コピー元はメインプロセス、コピー先はサブプロセスがそれぞれの肉体の人格を支配し、フラクトライトの崩壊は止まります。
こうして暴走中のメインプロセスとサブプロセスはそれぞれ別の肉体に宿ったわけですが、当然サブプロセスは己の行動原理に従い、エラー状態のメインプロセスを消去しようとします。これが作中で描かれていたカーディナルとアドミニストレータの戦闘シーンです。(要するにあの戦闘はサブプロセスとメインプロセスの戦いが擬人化されたものともいえます)
死闘の後、カーディナル(サブプロセス)はこのままでは勝てないと判断し、一旦態勢を整えるべく、大図書館へと避難します。この大図書館はアドミニストレータが自身の記憶領域をできるだけ節約するために設立した外付けHDDみたいなもので、セキュリティ上の問題から、システム的にひとたび入ると内側からしか開けられない仕様となっていました。そのためカーディナルが扉を開けない限り、アドミニストレータは図書館に入ることはできず、以後200年間膠着状態となります。
200年後、カーディナルはようやくアドミニストレータと戦う上で味方となってくれる公算の高い人物(=公理教会に反逆できる人物)、キリトを発見し、ユージオと共に図書館に招き入れます。(発見できたのは使い魔としてシャーロットという名の蜘蛛型監視ユニットを放っていたからです。)そして2人に自分が大図書館にいる経緯を話して今(13話の時点)に至ります。
カーディナルの目指すもの
カーディナルが目指すのは最高司祭アドミニストレータを倒して、アンダーワールドの管理者権限を得た後に世界を初期化してアンダーワールドを無に還すことです。理由については作中でも語られていましたが、遠くないうちにラースによって最終負荷実験が行われる可能性が高いとカーディナルが予測しているからです。最終負荷実験とは4話で登場したゴブリンを始めとするダークテリトリーの住人を意図的に人界に侵攻させ、民衆に心理的・肉体的負荷をかけることで、何らかのブレークスルーを引き起こそうというものですが・・・あれ?、すでに人界の住人が法を破れず軍事用AIとして利用できないという問題はアリスの登場により解決していたはずでは・・・・・
ここまでで止めておきます。まあ、この辺は何かきな臭いですね。
カーディナルが2人に渡した短剣
キリトに歴史を語り終え、ユージオが風呂から上がってきた時点で、カーディナルは2人に公理教会と戦う意志があるかどうかの最終確認を行います。2人にはアリスを取り戻すという目的がありましたから、答えはもちろんYesです。カーディナルはそれを受け、2人に2本の短剣を渡します。この短剣は刺した人物とカーディナル(の大図書館)とを接続することができる代物で、1本は整合騎士アリスを眠らせて確保する用、1本はアドミニストレータを倒す用です。剣を刺した瞬間、カーディナルが高度神聖術を行使してこれらを実現します。
カーディナルが2人に教えた式句
短剣を渡した後、2人に今度はとある式句を教えます。これは武装完全支配術と呼ばれる物で、剣の持つ力を心意を利用して解放する強力な術だと思ってください。12話でエルドリエが使っていた記憶解放術とは一段劣る技となります。ただ、13話の時点で2人は捕縛の際アリスに剣を没収されており、持ち合わせていないので、あくまで式句のみを教わっただけとなります。
(武装完全支配術の実際の仕組みやメカニズム等について詳しく知りたい方は原作を読んでみてください。第12巻が該当巻です。)
用語解説
- 公理教会
最高司祭アドミニストレータが人界を統治するために設立した行政機関。軍隊兼警察組織として整合騎士を直轄。
- ダークテリトリー
果ての山脈の向こう側、人界の外側の土地。1話でアリスが誤って侵入し、公理教会に連行される機会を作ってしまった土地です。
最後に
今回の話はかなり難しい内容でした。ここでもできる限りの解説はしましたが、やはり本当に詳しく知りたいという方はやはり原作を読むことをオススメします。13話該当は第12巻で、アリシゼーション自体は第9巻からスタートしています。(アニメ1期2期見ていれば8巻までは読まなくても大丈夫です。)
1クールを終え個人的にはアニメも悪くはないですが、やはり原作と比較すると、多少は劣るかなと思います。実際、話がグダグダになって間延びしたり、逆に省かれてわかりにくくなっているところもいくつかありました。なので繰り返しになりますが、本当にアリシゼーションという物語を知りたいのならやはり原作を読むことをおすすめします。
それでは、また。
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